猫の診療室モモ・ 谷口史奈院長インタビュー

ペット健康診断メディア PetPort

東京都品川区

「すべての猫に、もっと気軽に医療を受ける機会を」猫と飼い主に寄り添う猫専門病院

猫の診療室モモ

谷口 史奈 院長

「病院へ連れて行きたいけれど、うちの子はキャリーに入らない」「少し気になることはあるけれど、受診するほどなのかわからない」
――猫と暮らしていると、そんな悩みに直面することがあります。2016年に開院した猫の診療室モモは、猫専門だからこそ分かる猫の気持ちと、飼い主様の不安に寄り添う動物病院です。診療だけでなく、ペットホテルや送迎、往診にも対応し、「病院へ来られないなら終わり」ではなく、その子とご家族に合った方法を一緒に考えてくれます。「すべての猫にもっと気軽に医療を」その想いのもと、猫と飼い主様が安心して相談できる場所でありたいと語る院長。今回は、猫専門病院を開院した理由や、診療で大切にしていることについてお話を伺いました。

経歴

動物病院3年、猫専門病院2年半勤務
2016年品川区に猫専門病院「猫の診療室モモ」を開院
安達文化学園 専門学校ビジョナリーアーツ
非常勤講師

活動実績

飼い主様向けの講演・セミナー活動

  • 2017年〜2018年 毎月定期開催 猫まみれセミナー/ネコリパブリック池袋店
  • 毎年 品川区主催 講演会「猫の健康について」

監修雑誌・サイト

2025年4月「はじめてのネコの飼い方 for Beginners」(晋遊舎)記事監修
2024年11月「ネコDK デラックス2025(日本ネコグッズ・オブ・ザ・イヤー2024-2025)」(晋遊舎)記事監修
2023年11月「ネコDK デラックス2024(日本ネコグッズ・オブ・ザ・イヤー2023-2024)」(晋遊舎)記事監修
2022年11月「ネコDK デラックス(日本ネコグッズ・オブ・ザ・イヤー2022-2023)」(晋遊舎)記事監修
2023年「ネコDK the Best 2023」(晋遊舎)記事監修
2022年11月「NyAERA」2023.02 朝日新聞出版
2022年5月「ネコお得技大全2022」(晋遊舎)記事監修
2022年6月号「MONOQLO(猫家電企画)」(晋遊舎)記事監修
2022年4月「ネコとの新生活完全ガイド」(晋遊舎)記事監修
2021年11月「ネコDK the Best 2021-22」(晋遊舎)記事監修
2020年4月「ネコお得技ベストセレクション・第2弾」(晋遊舎)記事監修
2020年2月「ネコとの新生活ガイド」ムック(晋遊舎)記事監修
2019年4月「ネコお得技ベストコレクション」(晋遊舎)記事監修
2017年11月「ねこ検定公式ガイドBOOK 中級・上級編」(廣済堂出版)部分監修
2017年5月「猫とずっと暮らす本」(マガジンボックス)監修
2017年5月「茶とらねこのほん」(英和出版社)一部記事監修
2016年12月「ネコDK Vol.2」(晋遊舎)記事監修
2016年JAF Mate Park「にゃんカレ検定」監修
2016年10月「ねこもえ」 猫専門病院として掲載

主な監修書・DVD

  • 猫とずっと暮らす本(M.B.MOOK)
  • 猫のワクチン・免疫ベーシック(DVD株式会社ウィズキャット)
  • ネコDK
  • ネコとの新生活

病院が苦手な猫にも、できることがあります

目次

「やっぱり猫が好きだった」──猫専門病院を開院した理由

─ 獣医師になられたきっかけを教えてください。

きっかけとしては本当に単純で、「猫が好きだから」ですね。
小さい頃から猫が好きだったんです。

獣医師になれば犬も猫も同じように好きになるのかなと思っていたんですけど、
実際に働いてみてもやっぱり猫が特別でした。もちろん犬も好きなんですけどね。

─ 猫専門病院にした理由を教えてください。

犬と猫の両方を診る病院で働いている中で、猫は病院に対して苦手意識を持ちやすい動物だということを強く感じていました。

病院に来るだけでも緊張するのに、犬の鳴き声や気配があることでさらに怖がってしまう子もいます。そうすると病院そのものが嫌になってしまって、本当は診てもらった方がいい状態でも来院できなくなってしまうことがあるんです。

最近はキャットフレンドリーな病院も増えていますが、私は犬にとって心地よい病院と猫にとって心地よい病院は、建物の作りから違うと思っています。

だからこそ、猫が少しでも安心して通える場所をつくりたいと思い、猫専門病院を開院しました。

                          

猫だけでなく、飼い主も緊張しない病院を目指して

─ 病院づくりで意識していることはありますか。

まずは病院の環境づくりですね。猫は環境の変化や刺激に敏感な子も多いので、できるだけ安心して過ごせる空間を意識しています。 例えば、猫はちっちゃめの部屋の方が落ち着いて過ごせることも多いので、全体的に少しコンパクトな造りにしています。それから、機械っぽいものや金属の医療機器などもなるべく目立たないように工夫しています。

病院らしい雰囲気が強いと、猫だけでなく飼い主さんも緊張してしまうと思うんです。そして、その緊張は猫にも伝わってしまうことがあります。

待合室に雑貨コーナーを設けているのも、「まずは飼い主さんだけでも気軽に来てほしい」という思いからです。「病院へ行く」というより、「ちょっと立ち寄ってみようかな」と思える場所でありたいですね。

─ 猫ちゃんを病院へ連れて行くこと自体が大変なご家庭も多いと思いますが、どのようにサポートされていますか。

実際に、「まずは飼い主だけで相談したい」と来られる方もいらっしゃいます。

「病院に連れて行きたいけれど、どうしてもキャリーに入れられない」「家から出た途端に暴れてしまう」「どうやって連れて行けばいいかわからない」など、ご相談の内容はさまざまです。

そういった場合には、連れてくる方法を一緒に考えたり、必要に応じてお薬についてお話ししたりすることもあります。

来院が難しい場合には、往診や送迎という方法をご提案することもあります。
猫ちゃん自身が、キャリーの中でずっとバタバタしてしまう子もいますし、飼い主さんの体が不自由で通院が難しいケースもあります。

だからこそ、「病院に来られないから仕方ない」ではなく、その子やご家族に合った方法を一緒に考えていきたいと思っています。

まずは、「こんなこと相談してもいいのかな」と思わずに、気軽に相談していただけたら嬉しいですね。

                                     
                         

「できない」ではなく、「その子にできる方法」を一緒に考える診療

─ 「全ての猫ちゃんにもっと気軽に医療を」という思いを、日々の診療ではどのように大切にされていますか。

結構、他の病院で「手術しかない」「この治療をするしかない」と言われて、うちに来られる方もいらっしゃいます。

もちろん、それが医学的には適切な提案だったのかもしれません。ただ、飼い主さんにはそれぞれ事情があります。

「できる限りの医療を受けさせたい」という方もいれば、「これはできるけれど、これは難しい」という線引きをされる方もいます。

私は、その考え方自体に正解・不正解はないと思っています。だからこそ、そのご家庭の中で何ができるのかを一緒に考えることを大切にしています。

飼い主さんが医療から離れてしまわないように、「こうするべき」だけではなく、「こういう方法もありますよ」と選択肢をお伝えするようにしています。

─ 実際に、治療に対する考え方は飼い主さんによって違うものなのでしょうか。

本当にさまざまですね。

お薬を飲ませることが極端に難しい猫ちゃんもいますし、できるだけ自然な形で見守りたいという考え方の方もいらっしゃいます。正直に「経済的に難しい」とお話しくださる方もいます。

だから、できないことを責めるのではなく、その中でできる方法をご提案したいんです。

少しずつでも医療につながり続けられるように、その子とご家族に寄り添った診療を心掛けています。







健康な時から知る、その子らしい変化サインになることも

─ 1歳から年1回、7歳から年2回の健康診断をすすめている理由はありますか。

これは、特別うちだけが言っていることではなく、一般的にも推奨されている目安ですね。猫は1年間で、人間にすると4〜5年ほど年を重ねると言われています。

そう考えると、年1回の健康診断でも決して頻繁なものではありません。
特に7歳を過ぎると、体の中では少しずつ変化が起きていることもあります。健康なうちから定期的に受けておくことで、その子にとっての「いつもの状態」を知ることができます。

─ 健康診断では、どのような変化を大切に見ていますか。

やはり、猫では腎臓や泌尿器の変化は気をつけたい部分ですね。
ただ、健康診断の価値は異常値を見つけることだけではないと思っています。

例えば、腎臓の数値や尿比重が基準値の範囲内だったとしても、去年と比べると少しずつ変化していることがあります。健康な時のデータがあるからこそ、その子の変化に気づくことができます。

また、病院での検査だけでなく、おうちでの様子もとても大切です。水を飲む量、食欲、排尿や排便の状態、嘔吐や下痢など、毎日のちょっとした変化が病気のサインになっていることもあります。

普段の様子を一番よく知っている飼い主さんだからこそ、「なんとなくいつもと違う」という気づきを大切にしてほしいですね。


飼い主様へのメッセージ

─ 「こんなことを相談してもいいのかな」と迷われる飼い主さんへ、伝えたいことはありますか。

「こんな細かいことを聞いてすみません。」とおっしゃる飼い主さんは、実はとても多いんです。病院で大きな声を出してしまったり、暴れてしまったりすると、「ご迷惑をおかけしてすみません」と謝られる方もいらっしゃいます。でも、本当にみんなそんなものなんですよ。

猫ちゃんそれぞれに個性がありますし、病院が苦手な子もたくさんいます。だから、申し訳なく思わなくて大丈夫です。それに、飼い主さんが家で感じた違和感が、病気の大切なヒントになることも少なくありません。

検査の数値に現れるよりも先に、普段一緒に暮らしている飼い主さんだからこそ気づける変化があります。「こんなこと聞いていいのかな」と思うようなことでも、ぜひ遠慮せずに相談していただけたらと思います。

─ 最後に、記事をご覧になる飼い主さんへメッセージをお願いします。

この10年、20年で、猫との暮らし方ってすごく変わったと思うんです。最近の飼い主さんは、本当にたくさん調べて、真剣に猫ちゃんと向き合っている方が多いなと感じています。だからこそ、少し頑張りすぎてしまう方も多いのかもしれません。
私は、一人暮らしだから猫を飼ってはいけないとか、共働きだから難しいとは思っていません。もちろん責任は必要ですが、今はホテルやシッターなど、頼れるサービスもたくさんあります。誰かを頼りながらでも、そのご家庭らしい形で猫と暮らしていけばいいと思っています。

猫を飼うハードルを必要以上に高くしすぎなくていいと思うんです。あまり背負いすぎず、「猫のことなら、まず相談してみよう」と思っていただけるような存在でありたいですね。






猫の診療室モモ 基本情報

医院名猫の診療室モモ
院長谷口史奈 院長
住所〒142-0043 品川区二葉4-3-7(上神明小学校の裏門の前)
電話番号03-4285-2654
最寄り駅都営浅草線「中延駅」より徒歩6分 
診療対象猫
診療内容一般内科、外科、皮膚科、眼科などの一次診療/健康診断/セカンドオピニオン/しつけ相談/各種予防/去勢避妊手術/
診療時間月・火・木・金・土  9:00~12:00/16:00~20:00(最終受付19:00)
日 9:00~12:00
休診日水曜・日曜午後
予約Web予約・LINE・電話
支払い方法現金・クレジットカード・電子マネー・QRコード決済
駐車場あり(敷地内に1台駐車可能)
公式HPhttps://momoneco.com/

取材・監修者

PetPort編集部

PetPort

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獣医師さんへの取材を通じて、ペットの健康と動物病院の正しい情報をお届けします。

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