みなみ町田どうぶつ病院・蔵本 惇嗣 院長インタビュー

ペット健康診断メディア PetPort

東京都 町田市

病気のときも元気なときも、気軽に相談できる「地域の最初の相談窓口」でありたい

みなみ町田どうぶつ病院

蔵本 惇嗣 院長・獣医師

2011年に北里大学を卒業後、夜間救急センターや大学病院の腫瘍科など専門性の高い現場で経験を積んできた蔵本院長。重篤な症例と向き合う中で「もっと早い段階で変化に気づくことができれば、できることは増える」という思いを強くし、2020年に町田市小川の地でみなみ町田どうぶつ病院を開院しました。病気になったときだけでなく、元気なときから気軽に相談できる「地域の最初の相談窓口」でありたいという蔵本院長に、健康診断や日々の健康管理への想いを伺いました。

経歴

2011年 北里大学 獣医学部獣医学科 卒業
増田イヌネコ病院 勤務
2014年 DVMsどうぶつ医療センター横浜 救急診療センター 勤務/麻布大学附属動物病院 腫瘍科 専科研修医
2017年 ペットクリニックりあん町田病院 院長就任
2019年 ペットクリニックりあん相模原病院 院長就任
2020年 みなみ町田どうぶつ病院 開院
獣医がん学会 所属

定期的な健康診断で、大切な家族の健康を守りましょう

目次

獣医師への道

─ 獣医師を志されたきっかけを教えてください。

小さい頃から生き物が好きで、さまざまな動物を飼育してきました。生き物には寿命があり、いつかは最期を迎えますが、体調を崩したときに治してあげることや、よりよい生活環境を整えることで、病気を予防し、少しでも健康で長く暮らせるようにしてあげたいという思いが、獣医師を目指したきっかけです。小学校でも飼育係を務めるなど、もともと動物に関わることが好きでした。自分では覚えていなかったのですが、後から小学校の卒業文集を見返すと、将来の夢として「動物病院の先生」と書いていました。振り返ってみると、獣医師になりたいという思いは、幼い頃から自然に自分の中にあったのだと思います。

─ 夜間救急センターや大学病院の腫瘍科など、専門性の高い現場を経験されています。「こういう獣医師でありたい」と考える原点となった出来事はありますか。

何か一つの出来事というより、そこでの経験そのものが、少しずつ今の自分の形成につながったように思います。夜間救急センターでは、突然状態が悪化した動物や一刻を争う症例を数多く診療しました。限られた時間と情報の中で、何を優先し、それをどう飼い主さまへ説明するかを判断しなければなりません。大学病院の腫瘍科では、病気そのものを治療することはもちろん、治療による負担や生活の質の変化、ご家族がどのような時間を望んでいるのかまで考えることの大切さを学びました。同じ病気であっても、年齢や性格、生活環境、ご家族の考え方によって適した治療は異なります。医学的に正しい治療を提示するだけでなく、飼い主さまと一緒に、その子にとって何が一番よいのかを考えられる獣医師でありたいと思うようになりました。また、夜間救急や大学病院で重篤な状態になった動物を診療する経験を重ねたことで、「もっと早い段階で変化に気づくことができれば、できることは増える」という思いも強くなりました。これは現在、地域の病院で予防や健康診断を大切にしている原点の一つでもあります。

地域のかかりつけ医として

─ 2020年にみなみ町田どうぶつ病院を開院されました。どのような病院でありたいと考えて開院されたのでしょうか。

病気になったときだけではなく、元気なときから気軽に相談していただける、地域に身近な動物病院をつくりたいと考えて開院しました。動物の体調に変化があったとき、飼い主さまが「もう少し様子を見ようか」「病院へ行った方がよいのか」と迷われることは少なくありません。そうしたときに、些細なことでも相談できる存在でありたいと思っています。一方で、身近でありながらも、必要な検査や治療をできるだけ速やかに行える病院であることも大切です。救急や腫瘍科での経験を生かしながら、日常の予防から慢性疾患、急な体調不良まで幅広く対応し、必要に応じて専門病院や大学病院へ適切につなぐことのできる、地域の「最初の相談窓口」でありたいと考えています。

─ 救急や腫瘍科といった二次診療を経験されたうえで、地域の一次診療で特に大切にされていることを教えてください。

一次診療で大切なのは、目の前の症状だけではなく、その子を継続して診ていくことだと考えています。救急や大学病院では、すでに病気が進行している動物を診ることが多くありました。その経験から、日頃の診察や健康診断の中で小さな変化を見逃さず、早い段階で対応することの重要性を強く感じています。また、「何の病気か」を診断することだけではなく、その病気がその子の生活やご家族にどのような影響を与えるのかまで考えるようにしています。検査や治療にはそれぞれメリットもあればデメリットもありますので、一つの方法を押しつけるのではなく、選択肢を分かりやすく説明し、飼い主さまと一緒に治療方針を決めていくことを大切にしています。




院内でできる検査と連携体制

─ 血液検査機器やレントゲン、歯科用レントゲン、眼科の検査機器など、院内でできる検査が幅広く揃っています。院内で完結できることには、飼い主様にとってどのような意味があるとお考えですか。

院内で全ての検査が完結できるわけではないですが、その日のうちに確認したいことを調べられるようにすることで、治療方針をなるべく早く考えられることが大きなメリットです。特に急な体調不良では、検査結果を待つ時間が治療に影響することがあります。また、別の施設へ移動する必要が少なくなるため、動物や飼い主さまの負担を軽減できることも大切な点です。歯や眼の病気などは、外から見ただけでは分からないことも少なくありません。適切な検査機器を用いることで、症状の原因をより詳しく確認し、必要な治療をご提案しやすくなります。もちろん、すべての診療を院内だけで完結させることが目的ではありません。当院で対応できることと、専門的な検査や治療が必要なことを見極め、必要な場合には二次診療施設へ速やかにつなぐことも、地域の動物病院の大切な役割だと考えています。

─ 副院長先生とお二人で診療にあたられ、皮膚科・耳科についてはアドバイザーの先生に相談できる体制もお持ちです。こうした体制が生きていると感じるのはどのような場面でしょうか。

一人の獣医師だけで判断するのではなく、複数の視点から症例を検討できることは、大きな強みだと感じています。診断や治療方針に迷う症例では、副院長と画像や検査結果を見直し、それぞれの考えを出し合います。別の視点が加わることで、見落としを防いだり、より適した治療方法に気づけたりすることがあります。特に皮膚病や耳の病気は慢性化しやすく、原因が一つではないケースも少なくありません。一般的な治療で改善しにくい症例や再発を繰り返す症例について、専門的な知識を持つアドバイザーの先生に相談できることは、診療の質を高めることにつながっています。病院内だけで抱え込まず、それぞれの分野に詳しい先生と連携しながら、その子にとってよりよい方法を考えることを大切にしています。

健康診断・予防医療

─ 症状が出ていない元気な子にとって、健康診断にはどんな意味があるのか、飼い主様にはどのように伝えていらっしゃいますか。

健康診断は、病気を探すためだけのものではなく、その子の「元気なときの基準」を知るためのものだとお伝えしています。検査結果には個体差があります。一般的な正常範囲に入っていても、以前の結果と比べると少しずつ変化していることがあります。元気なときから定期的に検査しておくことで、その子にとっての普段の状態が分かり、異常が起きたときに早く気づきやすくなります。動物は体調が悪くても、それを隠して普段どおりに振る舞うことがあります。特に犬や猫は、人が見て症状に気づく頃には、病気がある程度進行していることもあります。「元気だから検査をしなくてよい」のではなく、「元気な今だからこそ確認しておく」という考え方を、分かりやすくお伝えするようにしています。

─ 検査結果を説明されるとき、数値そのものよりも「その子にとってどういう意味を持つか」が大事だと思います。飼い主様にはどのように噛み砕いてお伝えされていますか。

検査結果の数字だけをお伝えしても、飼い主さまにとっては、それがどのくらい重要なのか分かりにくいと思います。そのため、まず「どの臓器や体の働きを確認している検査なのか」「この変化からどのようなことが考えられるのか」を、できるだけ専門用語を使わずに説明するようにしています。また、一回の数値だけで判断するのではなく、過去の検査結果や現在の症状、食欲、体重、年齢、飲んでいる薬などを合わせて考えることが重要です。すぐに治療が必要な変化なのか、生活習慣を見直しながら経過を確認する段階なのか、追加検査が必要なのかを整理し、「今は何が分かっていて、次に何をするのか」が飼い主さまに伝わるよう心がけています。

日常のケアと、ご家庭で気づけるサイン

─ トリミングやホテルも併設されています。お預かりの時間も、その子の状態を知る機会になっているのではと感じます。日々のケアの中で気づく変化はありますか。

トリミングやホテルで長い時間お預かりすることで、診察室だけでは分からない変化に気づくことがあります。トリミングでは、皮膚の赤みや湿疹、脱毛、耳の汚れ、しこり、爪や肉球の異常などが見つかることがあります。また、立っているときの姿勢や歩き方、以前より疲れやすくなっていないかといった変化に気づくこともあります。ホテルでは、食欲、飲水量、排尿や排便、眠り方、落ち着き方など、普段の生活に近い様子を観察できます。トリマーや動物看護師が気づいたことを獣医師と共有し、必要に応じて飼い主さまへお伝えしたり、診察をご提案したりしています。診察、トリミング、ホテルがそれぞれ独立するのではなく、病院全体でその子の健康を見守ることを大切にしています。

─ 食事・体重・歩き方・皮膚・行動など、飼い主様がご家庭で気づけるサインで、特に見ていただきたいものはありますか。

日常の中で、「以前と比べて何かが変わっていないか」を見ていただくことが大切です。例えば、食べる量は変わらないのに体重が減っている、水を飲む量や尿の量が増えた、散歩に行きたがらなくなった、階段や段差をためらうようになった、寝ている時間が増えたといった変化です。また、体をよくかく、足先をなめる、耳を振る、においが強くなった、皮膚に赤みやしこりがあるといったサインも見ていただきたいと思います。「年齢のせい」「いつものこと」と思われる変化の中に、病気の初期症状が隠れている場合があります。毎日一緒に過ごしている飼い主さまだからこそ気づける違和感は、とても大切な診療情報です。症状をうまく説明できなくても、「何となくいつもと違う」という感覚で受診していただいて構いません。可能であれば、ご自宅での歩き方や咳、発作、気になる行動などを動画に撮ってお持ちいただくと、診断の助けになることもあります。

地域の飼い主様へのメッセージ

─ 最後に、この記事をご覧になる飼い主様へメッセージをお願いします。

動物たちは言葉で体調を伝えることができません。その代わり、食欲や行動、表情、歩き方など、日々の小さな変化を通して私たちにサインを出しています。「この程度で病院へ行ってよいのだろうか」と迷われることもあると思いますが、何も問題がなければ、それを確認できることにも意味があります。気になることがあれば、些細なことでも遠慮なくご相談ください。病気になったときだけではなく、元気なときからその子のことを知り、年齢や生活に合わせて健康を支えていくことが、地域の動物病院の役割だと考えています。飼い主さまと一緒に、その子ができるだけ長く、安心してその子らしい毎日を過ごせるようお手伝いしていきたいと思っています。

みなみ町田どうぶつ病院 基本情報

医院名みなみ町田どうぶつ病院
院長蔵本 惇嗣(くらもと あつし) 獣医師
住所東京都町田市小川3-2-84
電話番号042-788-2211
アクセスバス停「南農協前」下車 徒歩約1分/病院入口前に駐車場3台(満車時は近隣駐車場を案内・会計時に割引対応)
診療時間9:00〜12:00/15:00〜19:00(受付 9:00〜11:30/15:00〜18:30)※12:00〜15:00は手術・精密検査・往診の時間 ※毎週水曜・日・祝日は午前のみ診察(予約診察のみ)
診療の特徴血液検査・レントゲン・歯科用レントゲン・眼科検査機器など院内で幅広い検査に対応、救急・腫瘍科の経験を生かした診療、皮膚科・耳科はアドバイザー獣医師と連携、トリミング・ペットホテル併設
診療対象犬・猫が中心(ハムスターなどの小動物も対応)
公式HPhttps://www.mmvet.net/

取材・監修者

PetPort編集部

PetPort

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獣医師さんへの取材を通じて、ペットの健康と動物病院の正しい情報をお届けします。

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