「うちの子よく吐くけど大丈夫かな?」
「吐いた後からご飯を食べなくなって心配」
このように感じたことはありませんか?
猫は吐きやすい動物と言われていますが、頻繁に吐く場合は注意が必要です。
猫では毛玉を吐くなど生理的な嘔吐がみられることもあります。
一方で、1日に何度も吐く、または毎日続く場合は病気が関係しているかもしれません。
今回の記事では、
- 猫が吐く原因
- 頻繁に吐いているときの緊急度の判断方法
- 頻繁に吐くときに考えられる病気
などについて解説します。
猫が普段より頻繁に吐いていて気になる飼い主様は、ぜひ参考にしてください。
猫が頻繁に吐く原因は?
猫が頻繁に吐く原因は、生理的なものと病的なものに分けられます。
猫は毛玉を吐くことがあるため、嘔吐しても異常ではないと思われがちです。
ただし、吐く原因が病的なものである場合は、見逃してはいけないサインになります。
生理的な嘔吐の原因としては、
- グルーミング
- 早食いや空腹による胃酸過多
- 環境変化などによるストレス
などが挙げられます。
中でも、猫がグルーミングによって飲み込んだ毛を毛玉にして吐き出すケースは多くみられます。
一方で病的な嘔吐の原因としては、
- 消化器疾患
- 消化管閉塞
- 消化器以外の内臓疾患
- 腫瘍
などが挙げられます。
猫が頻繁に吐く原因には生理的な原因だけでなく、病気の可能性もあるため注意が必要です。
「猫は吐きやすいから大丈夫」と考えるのではなく、病気の可能性も考慮しておくことが重要です。
猫が頻繁に吐くときに病院を受診する目安は?
猫の嘔吐が週に1回以上あるいは3日以上連続するときは受診を検討しましょう。
生理的な嘔吐は月に1〜2回程度が目安とされているためです。
例えば、毛玉を週に1回以上吐く場合は、消化管の働きが低下している場合があります。
「毛玉を吐くのは生理的なものかな」と思われがちです。
しかし、短い期間に何度もこの症状が見られる場合は注意が必要です。
消化管の働きが低下したことで、毛玉をうまく吐き出せなくなっている可能性があります。
生理的な範囲を超えて嘔吐が繰り返される場合は消化器系の不調など病気の可能性があります。
「このまま様子を見ていて大丈夫かな?」と不安に思ったときは病院を受診してみましょう。
緊急度の判断方法について
緊急度は嘔吐以外の症状からも判断できます。
生理的な嘔吐では現れないような異常が病気によって引き起こされている可能性があるためです。
緊急性が高いと判断する基準としては次のようなものが挙げられます。
- 24時間以上続く食欲不振
- 血のようなものが混じった物の嘔吐
- 呼びかけに反応せずぐったりした様子
- 口を開けて苦しそうな呼吸
- 2日以上続く便秘
- 誤飲
猫が頻繁に吐く場合は、嘔吐以外の症状にも注意が必要です。
これらの症状は重大な病気のサインの可能性があります。
特に嘔吐に加えて食欲不振が続く場合は、見逃しやすい重大な病気が隠れていることがあるため、「いつもと様子が違う」と感じたときは、ためらわずに病院を受診することが重要です。

頻繁に吐いていて食欲不振もあるとき考えられることは?
猫が頻繁に吐いているときに食欲不振も起きている場合は、次のような重大な疾患や消化器系の異常が隠れている場合があります。
- 消化管閉塞
- 膵炎
- 腫瘍
それぞれ見ていきましょう。
消化管閉塞
猫が急に何度も吐いたり、全く食べなくなったりした場合は消化管閉塞の可能性があります。
消化管閉塞は紐やおもちゃなどの異物が胃腸に詰まることで起こり、緊急手術が必要になることもある緊急性の高い病気です。
中でも紐状の異物は、腸をアコーディオン状に手繰り寄せて腸管が壊死する原因や、腸管に穴が空く原因になる場合があります。
この状態は命に関わるため非常に緊急性が高いといえます。
嘔吐や食欲がない状態の他に、
- 排便がない
- 大量の液体を吐く
- お腹に張りがあり触ると嫌がる
- ぐったりして元気がない
といった症状も消化管閉塞を疑うサインになります。
普段は食欲旺盛な猫が、ここで挙げたような症状を示した場合は、消化管閉塞の可能性が高いため、すぐに病院へ連絡することが重要です。
膵炎
膵炎は猫が頻繁に吐いたり食欲不振になる原因の一つです。
膵炎は膵臓に炎症が起こる病気で、急性膵炎と慢性膵炎に分類されます。
猫に多い慢性膵炎の症状ははっきりしないことが多く、軽い食欲不振や嘔吐が続く場合があります。
一方で、その他の病気を併発していることが多いため、それらによって引き起こされた症状が見られることがあります。
併発疾患として猫特有のものに三臓器炎があります。
三臓器炎は重症化すると多臓器不全の併発などを引き起こし命に関わることもある病気です。
この病気は、
- 膵臓
- 肝臓
- 腸
の3つの臓器に同時に炎症が起こる病気です。
症状は嘔吐や食欲不振などがあり、重度になると皮膚や粘膜の色が黄色くなる黄疸がみられることもあります。
治療には症状を和らげる対症療法が行われます。
膵炎は猫が頻繁に吐いたり、食欲不振を引き起こす病気ですが、症状がはっきりしないために見過ごされやすい病気です。
三臓器炎のような重症化すると命に関わる病気を併発することもあるため、「普段と様子が違うな?」と思ったら病院を受診することが大切です。
腫瘍
猫が頻繁に吐く原因に腫瘍が関わっているとき、嘔吐は命に関わる重大なサインになります。
嘔吐が起こる原因は、食べた物や液体が腫瘍によって大きくなった箇所を通過できず、逆流してしまうためです。
猫の腫瘍にはリンパ腫などがあります。
中でも消化器型リンパ腫と呼ばれる腫瘍は猫で発生頻度が高い腫瘍です。
消化管内にできた腫瘍は大きくなると胃腸の通過障害を起こしたり、腸の正常な動きを邪魔することで嘔吐や食欲不振を引き起こします。
腫瘍による嘔吐は放置すると病気が進行することで症状が急速に悪化してしまうため注意が必要です。
特に高齢の猫で、頻繁な嘔吐の他に嘔吐物に血が混じったり急激に痩せたりする場合は腫瘍の可能性を考える必要があります。
消化器疾患が疑われる場合の検査は?
頻繁に吐くときに消化器疾患が疑われる場合は、複数の検査を行って原因を探します。
嘔吐は多くの疾患で共通して見られる症状です。
一つの検査だけでは病気の特定が難しいため、重大な病気を見逃してしまう可能性があります。
消化器疾患を疑うとき、実際に行われる検査には以下のようなものが挙げられます。
- 血液検査
- レントゲン検査
- 超音波検査
- 糞便検査
- 内視鏡検査
- 病理組織検査
- 試験的開腹手術
血液検査は内臓の機能や全身に起きている炎症の程度を把握するために不可欠な検査です。
貧血や消化器系以外の病気がないかなど、体で起きているさまざまな変化を知ることができます。
レントゲン検査や超音波検査は内臓の形の異常や誤食した異物の検査のために重要な検査です。
消化管の閉塞がないかや消化管の構造に異常がないかなどを知ることができます。
特に超音波検査は膵炎や腫瘍の診断に非常に有用な検査です。
便検査は寄生虫の有無や消化状態の確認などのために行われる検査です。
内視鏡検査は全身麻酔下でカメラを挿入し、胃や十二指腸の粘膜を直接観察したり組織の一部を採取する検査です。
ここで採取された組織は病理組織検査で調べられます。
病理組織検査では、採取した組織を顕微鏡で観察し、腫瘍や重度の炎症性疾患がないかなどを調べることが可能です。
試験的開腹は直接お腹を開けて消化管の状態を直接確認したり、臓器の組織を採取などを行う検査です。
この検査は、他の検査で原因が特定できない場合などに行われることがあります。
猫が吐く原因は非常に多いため、これらの検査を組み合わせながら診断が進められます。
受診の際には吐いた物やタイミングなどを記録したメモや吐いた物の写真を持参するとスムーズな診断につながるためおすすめです。
検査にかかる費用について
検査にかかる費用は病院や重症度によって異なるため、事前に動物病院へ確認が必要です。
必要な検査は猫の状態によって異なり、後から追加で検査が必要になることもあります。
初診で血液検査やレントゲン、超音波検査といった一通りの検査を行うと3〜5万円ほどかかる場合も珍しくありません。
これに加えて、重症化しているケースでは内視鏡などの検査や手術が必要になり、検査費用がより高額になる可能性が高いです。
検査費用は病院や検査内容によって異なるため、受診する病院に必要な検査を相談し費用を確認してみましょう。
健康診断は必要な検査を選択して受診でき、早期発見につながります。
結果的に検査費用を抑えられる場合もあるため定期的な受診を検討してみましょう。

家庭でできるケアや予防策は?
猫が頻繁に吐く場合、家庭でできる対策は主に二つあります。
一つは日常的なケア、もう一つは病院受診時に役立つ情報の整理です。
猫の嘔吐は食事の与え方やブラッシングの頻度などを変えることで予防できることもあります。
また、病院受診時に情報を整理して伝えることで診断がスムーズに進みます。
例えば、定期的なブラッシングは飲み込む毛玉の量を減らすことができるため、毛玉の嘔吐対策として有効です。
短毛種は週2〜3回、長毛種では毎日行うことが理想的です。
また、嘔吐が始まった時期や嘔吐物の色など具体的な情報をメモや写真で残しておくと獣医師が診断する際に大きな助けとなります。
猫が頻繁に吐く場合には日常的に行っているケアの見直しが有効になる場合があります。
しかし、重大な病気が隠れている可能性もあるため、症状が続く場合は動物病院を先に受診することが重要です。
その際にはメモや写真など具体的に確認できる情報を持参することで診断がスムーズに進むため日頃から記録を残しておくことも大切です。
病気の早期発見には健康診断がおすすめ
病気の早期発見には健康診断がおすすめです。
猫の嘔吐は生理的か病的かの判断が難しいこともあり、検査をせずに見逃されることが多いためです。
健康診断では内臓の状態や炎症の程度などを知ることができ、病気の早期発見につながります。
また、健康診断は猫の年齢や状態などに合わせて検査内容を変更することができるため、飼い主様の気になることや費用面も考慮しながら健康チェックが可能です。
「うちの子は大丈夫かな?」と思われた飼い主様は、まずは気になる点をかかりつけの先生と相談してみましょう。
そして、病気の早期発見のために健康診断を受診してみることをおすすめします。
猫の症状に関する関連記事もあわせてご覧ください。
まとめ
猫が頻繁に吐く場合は、生理的なものだけでなく、病気の可能性も考えることが大切です。
病気による嘔吐では緊急性の高いものや見過ごされやすい病気もあるため注意が必要です。
特に、頻繁に吐いていて食欲もないときなどは早めに病院を受診してみましょう。
また、生理的な嘔吐だと思っていたら実は病気が隠れていたというケースもあります。
健康診断はこのようなケースで病気の早期発見につながるため重要です。
「健康診断はほとんど受けたことがないな」という飼い主様も少なくありません。
猫の隠れた異常を見つけるために、ぜひ一度予防接種のタイミングなどにかかりつけの先生に相談してみてください。


